最後のときに

城です。

昨日は金町の島村葬儀社にお通夜に行ってきました。

昔からのお世話になっているお客様のMさんの奥様のお通夜でした。

Mさんは船乗りだった若い時に、土木関係の会社を興し、

人の3倍働いた、と自他共に認める働き者で、一代で財産を残した70代後半の人です。

 

一昨日、そのMさんが作務衣を着て自転車でフラフラと梅津不動産の前に停まりました。

久しぶりのMさんは痩せてげっそりしているように見えます。

母が道路に出てゆくと、Mさんが自転車にまたがったまま、

「お母さん、変わらないね。元気そうだね。元気で良かった…。」などと言うので、

「Mさんの奥さんは元気なの」?と聞いたら、「うちの母ちゃんは、死んじゃったんだよ。」と言うのです。

Mさんの奥さんは大柄でふくよか、大きな声で良くおしゃべりする元気な人だったから、ビックリして、

私も店から出てゆき、話に加わったのですが、

患っているとも聞いていませんでした。

入院して1ヶ月であっけなく逝ってしまったそうです。

Mさんは、奥さんの死顔が携帯電話で撮ったのがあるから見せるよ、といって携帯電話を出しました。

家族の死顔を携帯に撮って、人に見せる人はあまりいないし、

それに、なんかちょっと怖い気がして気が進まなかったのですが、そっと覗いて見ました。

Mさんの奥さんはいつもはメガネをかけていて、お化粧をしない人でしたが、

その写真の奥さんは、元気な時よりほっそりして、メガネを外した顔にお化粧をされて、

目を瞑っているお顔は、女らしくとても綺麗でした。

「綺麗ですねぇ。」と言うと、

「そうだよ、うちの母ちゃんは綺麗なんだよ。

美人だから、俺は結婚したんだよ。」と言うのです。

 

『あぁ、Mさんは、奥さんに惚れていたんだなぁ。』

と、その時感じました。当然のことなのかもしれないけど。

若いときから一緒に苦労し、お互い信頼し合っていたのだろうなぁ。

以前夫婦で並んで座っていて、奥さんが一人でしゃべっている横で、

ニコニコと笑っているMさんを思い出しました。