売れない土地の特徴を解説

売れない土地ってありますか?っと聞かれることがあります。

葛飾区を拠点に40年近く不動産業をやっていますが、振り返ってみると 売れない土地……、あっただろうか。

日本全国、どこの土地でも 絶対売れます、とは言えません。

売れない土地はありませんとまで豪語することはできませんが大抵の土地は売れるものです。

地方の過疎化した農村などは、弊社は取り扱ったことがありませんので、今回のお話しは弊社があります関東圏の、東京・埼玉・千葉・茨城・神奈川など限定でお考えください。

 

でも 売れにく土地はあります。

売れない土地の特徴

建築ができない土地

建物を建てる場合は、建築基準法に乗っ取った建築申請をして市町村から建築許可を取る必要があります。

そのためには、土地が建築基準法である道路に2メートル以上接している必要があります。

が、道路に1mしか接していないとか、道路だと思っていたところが道路ではなくただの通路であった、とか、道路の幅員が極端に狭いとか。

そんな場合建築ができない土地となり、売れないことはなくても 土地の価値としてはだいぶ下がってしまいます。

建築ができない土地を、建築ができる土地と同じ価格で売却することはできません。

でも価格を下げて売れば、お買い得な土地として必ず買主さんが買主さんだけの使い方を考えてくれて買ってくれるものです。

(家庭菜園にする、DYでプレハブを建てる、隣地の方が敷地を広げたい、駐車場として使うetc…)

どのぐらい価格を下げるものか…それはケースバイケースですが一般的であれば、市場価格の半値かなぁ。(個人的見解です)

 

調整区域のために建築できない土地の場合

調整区域と指定されている土地には、すでに宅地となっている場合以外は建物を建てることはできません。

だとしても、プレハブを置くとか運送業者や大きな車両の一括駐車場や建築資材置場にする といった別の使い方でかなりのニーズはあります。

そういった場合は、接道している道路が重要で、前面道路が大型自動車が通れるような幅員があれば最高です。売りやすい土地となります。

 

建築できない土地に、すでに建物が建っている場合は、その時は建物は絶対取壊さないでください。

購入者がその建物を利用してリフォーム工事として全面的に建物をよみがえらせこともできるからです。

リフォーム工事に建築確認申請は必要ないのですから。

 

お墓など一般的に忌避される施設や保育園や学校など音が普通よりする場所に隣接している土地

人の価値感、判断はそれぞれ十人十色。

一般的に忌避されても、ある一人の方には全然気にならなかったり、メリットにさえなる場合があります。

不動産は物件もこの世に一つだけ、そしてお客も一人、一人だけいれば良いのですから、大衆受けしなくても大丈夫なのです。

 

例えば目の前がお墓だった場合。

一般的には嫌われます。が、静かだし、そこに将来建物が建つことが無く、日当たりが保証されるから 「ここがいい」、と思ってくれる人も。

 

交通の便が不便な 駅から遠い場所でも、今や在宅勤務者が 安くてのんびりできるところを探している時代でもあるし、

農作業がしたくて、ペットとゆっくり自然の中で過ごしたいと、わざわざ不便なところに移ってくる人もいるのです。

皆さんまずはインターネットで探す時代、慌てて売却するのでなければ、気長に待っていると必ずあなたの条件の土地を探しているお客様がヒットしてくれるでしょう。

 

いつまでも売れない土地

いつまでも売れないでいる土地があります。

それは 一番の原因は価格と売地とのバランスがあっていないのです。

頼んだ不動産会社が良くないから売れないのか、とお考えになる方もいると思いますが、その不動産会社が頼まれた土地をネットに上げることができなければ別ですが

今どき不動産を探している方はネットで検索しますし、本人が検索できない場合でも、探すことを頼まれた不動産会社がネット検索します。

条件にあったものはその時点で上がってくるので、どの不動産会社でもそんなに差はないはずです。

あっちの土地は〇〇〇万円で売れたらしい、なんでうちのだけ売れないの?そんな価格になるの?とお考えになるのもごもっともなことです。

が、不動産というのは、一つとして同じものはございません。

それぞれ、それぞの背景、事情、向き、立地、土地の形、隣接者、道路などが違っていますし、売るタイミングも違います。

数ヶ月の差でも状況が変わったりします。

ですからその土地が全然売れないとしたら売値をもう一度考えてみましょう。

土地には相場というものがあり、相場で売れない土地だとしたらそれには何か訳があります。

いつかまたバブルの時代が来たら売れるかも、とうぐらい長い気持ちでいらっしゃるなら別ですが、

安くすれば必ず購入者は現れたます。

 

以前 水元近辺で1年以上売れない土地をお預かりしたことがあります。

その土地はいわゆる旗竿地で、入口は公道に2m50㎝接した通路部分が長く、その奥に四角い整形地があるのですが、このあたりの普通の家一軒分の土地よりはだいぶ広く、坪単価を低く設定しても

土地全体としては通路部分も含めると坪数が多くなって まとまった金額になってしまいます。

まとまった金額の土地を購入し、それなりの大きな家を建てれば、全体としてだいぶ高額になり、

そのぐらいのお金を動かせる人だったら、立地的にこの地でなければならないのではなければ、わざわざこの土地を買わなくても、最初から旗竿地でない土地を購入する……という感じでした。

 

その土地は売主さんのご実家でした。

ご両親が亡くなり空き家となった建物に、時々風を入れに来ていたご長男さんでしたが、ご自身もご自身の子様たちも葛飾区から遠く離れた地域にお住まいなため、

もうこの地に戻ることもないから処分しようという理由での売却でした。

静かな日当たりの良い土地で、売主さんの思い出もあり、最低でもこの坪単価は〇〇円 と決めていらっしゃいました。

元々ご縁のあった地元の不動産である当社 だけで心もとないと思われたのか、TVでcm放送している不動産会社や中堅どころの不動産屋、合計3社で売りにだしたのですが、1年以上売れませんでした。

そのうち、売主さんも理想通りの価格では売れないとお思いになり、価格を下げることもやむをえないと考えてくれました。

 

そんなところ、この土地のごく近くでご商売をされている法人が、会社の営業車の駐車場として利用したいということで、当社で客付けをすることができました。

その法人の会長が購入した理由は、会社の近くであることはもちろん、相場と比較したら、「安い」からでした。

安かったから駐車場として使い勝手が悪い土地でも、購入すると判断してくれたのでした。

 

 

 

例外的 売れない土地 原野商法の土地

地方の人里離れた土地を、今後レジャー施設の開発がある予定だから、道路が通るから、今のうちに購入すれば将来値上げしますよ~ら、と勧められて(騙されて?)購入し、

その後なんの開発も無く、不動産会社はいつの間にか倒産して無くなっている。これが原野商法です。

購入した土地は今となっては自分の土地がどこなのか、雑草生い茂るどころか いつの間にか雑木林の一部と化し、境も何もわからなくて正に原野となっている。

ただ固定資産税だけは変わらずに払い続けなければならない、といったケースを聞きます。

市町村に相談しても解決策はなく、または市町村に寄付したいといっても断られるとか…。

そういう土地は、はっきり言って売ることは難しい。

 

このまま自分が亡くなった後、子どもにお荷物の土地を引き継がせるのが…、または親から引き継いだそんな土地をどうしたらよいか…と悩んでいる方、結構いらっしゃるようです。

で、そんな気持ちに付け込んだ二次被害も出ているとききますので、お気を付けください。

「あなたの持っていてお困りの原野を買い取りますよ、」と電話がかかってきて、これは渡りに船だ、と話を聞いたことがきっかけで、もっと良い土地をご紹介いたします、という感じで いつの間にかセットで他の原野を購入してしまった、という被害がでているそうです。

あなたの土地を購入したい人がいるので整地等費用や調査費用がかかります、とかきれいに草を刈ったり管理した管理費を払え、と請求される、というのもあるそうです。

水道も電気も通っていない土地、売却価格も相当安いはずの土地を、売りに出してもいないのに、わざわざ持主を探し出してコンタクトをとってくるっていう会社は、どうみても怪しいです。

どうかお気を付けください。