城です。
大場川の土手を下りたところ、西水元(西水元3丁目32)にひっそりと構える小さな神社があります。
地元のが、「神明様(しんめいさま)」と呼ぶこの神社、
あまり、参拝に来る人もいませんが、実は、由緒正しい神社です。
約千年前、鎌倉時代初頭、 葛飾区、江戸川区、江東区、墨田区の一部、一体の地を葛西といいました。 当時その地を納めていた葛西氏は、 この荘園を伊勢神宮に寄進しました。
葛西で取れた米を、伊勢神宮に献上することで、 伊勢神宮の加護をうけ他の勢力から守られるのです。 ですから、葛西一帯は、「葛西御厨(みくりや)」と呼ばれていました。 | |
当時、葛西御厨辺りは水運上の重要な拠点で、 関が設けられ、通行税を徴収していたとのことです。 この神社は、御厨になった当時、 伊勢の内宮(天照大上)、外宮(豊受大上)を分霊したものだそうです。 正式名称「葛西御厨神明宮」といいます。 |
農地整理等で、この地域のいろんな場所に点在していた神社を1つの神社(水元神社)にまとめる時、
この神社にお祭りしている神様だけは、他の神様とは別格なので、一緒にすることはできない、と、
こうやって、ひとつポツンと残ってしまったのです。
この小さな神社にそんな歴史が隠されているとは、今のお社を見ても気付かないのですが、
もう千年の間、この地を守ってくれているわけです。