城です。
今日、解体を予定している建物の中を、建物の持ち主のA様と確認してきました。
家の中にある家具や電化製品なども、一緒に処分してほしい、とのことでした。
その建物は先代からのご商売が2代続き、立派な財産を残された縁起の良い建物です。
雑多にいろんなものが置いてある棚に、埃をかぶってはいるが、なんだか福々しい置物がおいてありまして。
外の光を浴びているその置物のお顔と、目が合いました。
なんだか、とっても良いもののような気がしました。
「Aさん、これは家宝じゃないのですか?」
「ご自宅へ持って帰って飾られた方が良いのでは?」
「いやいや、もう必要なものは持って行ったので、これは置いて行きます。」
「処分するにはもったいないですよ、きっと良いものだと思います。
必要ないのなら、私が頂いてもよろしいでしょうか?」
「どうぞどうぞ」「昔は神棚に飾ってあったんだけどね。」
骨董好きというよりかは、ガラクタ集めの父に、いつも文句をいっていた私でしたが、どうも血は争えないようで、古い置物になんだか惹かれてしまいました。
ということで、家に大事に抱えて持って帰ってきたのが、これでございます。
つるっとした頭と大きなお腹の特徴から調べますところ、これは七福神の布袋様のようです。
鋳物でできていて、とても重いです。
持って帰って、きれいに拭いたら、黒光りしてきました。
わたしの席の奥の棚に、鎮座して頂きました。
七福神の一人としか、認識がない布袋様を、ネットで調べてみると、
昔実在した、中国の禅僧 契比(かいひ)さんだそうです。
いつも大きな袋を背負ってていたから、いつのまにか布袋様とよばれるようになったとか。
『泣いてくらすも一生 笑って暮らすも一生 同じ暮らすなら笑って暮らせ』
と説いた方なのだそうです。 昔も今も、人間の生きる悩みは同じようなものだったのでしょうかねぇ。
右手が何かを指差しているのが、気になったのでそれも調べると、
月を見て指差しているそうです。
指は細かなこと、月は大きなこと、という意味で、
つまり「細かなことにとらわれ過ぎずに、大局を見よ」
と、いうことを表しているとか。 これも、現代のわたしたちにとって、とっても勉強になります。
それから左手に持っている軍配は、福を呼ぶために仰ぐとか…。
とってもありがたいお方のようです。
これでわが社にも、福が舞い込んでくるような気がしてきました。
大事にしたいと思います。