こんにちは 城です。
今日は敷金について書いてみたいと思います。
賃貸物件を借りようとすると、前賃料(お家賃は前払い)、保証会社の保証料、少額短期の家財・賠償保険、仲介手数料、などの初期費用のなかに出てくるのが「敷金」
他の費用は具体的な言葉ですが、敷金だけは言葉ではくみ取れない、不動産業界でしか出てこない用語ですよね。
だから初めて賃貸を借りる方は「敷金?」何のこと?って思われる方もいられると思います。
そんな方のために今回敷金について簡単に説明させていただきます!
敷金とは
敷金とはお賃料とは別に、貸主さんに預けるお金、という意味です。
預けるということは、原則、賃貸借契約が終了すれば借主さんにお戻しする性質のものです。
それでは何故預かるのか?
借主さん退室後に、賃料の未払い・破損・残置物などがあった場合には、そこから差し引かせていただきますよ、という貸主のリスク回避のために預かるもの、それが敷金なのです。
通常の使用で徐々に古びてきてしまった床、家具や時計などで壁紙が日焼の後でまだらになった、などは、借主はその修繕を負担する必要はございません。
普通に何事もなければお返しするものなのですが、
間違った使い方をして壊してしまった(お風呂の空焚きや、壁に落書き、グーで思いっきり殴ってこわした、等)もの、
家具を動かしていて壁にぶつけてしまって穴を開けてしまった、タバコの吸い殻が落ちて焦がしてしまった、なんて場合は借主負担となります。
以上が原則ですが、この契約だけは敷金についてこういう取り決めをしますよ、という特約をつけることができます。
だいたいどこでもついているのが、室内クリーニングだけは敷金から差し引きますよ、というもの。
部屋を探す場合、不動産屋に案内された部屋は、たいていきれいにプロの業者が行ったクリーニングがされています。実はあれは以前の借主様の敷金から負担されたお金での行ったものです。
室内クリーニング代は、だいたい2DKならこれくらい、3DKならこう、とう基本的なものは決まっています(地域、場所、業者によってバラツキはありますが各不動産屋が頼む業者などの相場があります)から、あらかじめ目安に基本料金を聞いておいても良いかもしれません。
清掃費には部屋の汚れ具合で加算があります。
中には入居してから一度も台所の換気扇を掃除していなかったであろうと推測されるような 油が垂れてきているようなものや、男性の一人暮らしのお家などは床いつ掃除した?って感じに隅が黒ずんでいたりする場合があり、そういうものは基本料金に追加料金が発生します。
ですので退去される際は室内クリーニング業者が入るとしても、換気扇や浴室、トイレなどの汚れは一通りお掃除しておいた方が良いと思いますよ~。
敷金の額
昔、何十年も前の敷金の相場は賃料の「2ヵ月分」でしたが、最近は初期費用が高くては入りにくいということで、賃料の「1ヵ月分」ということが多いです。
また、敷金が無い賃貸物件もあります。
敷金ゼロ、一見初期費用が安く済みそうで目を引きますが、気を付けて見てみると、その募集図面のどこかに別の名前のものが必ずついています。
室内クリーニング料などの名目で、結局クリーニング代を先払いすることになっていて、これは契約時に払いますが、実際の清掃代がそれより少なくても返してはもらえず、多くなってしまった場合は請求されることになったりしますのでそこも予め聞いておいた方が良いです。契約する前に案内してくれた方に質問・確認してみましょう。
壊してしまった時の費用
良くあるのが、襖や障子を破いてしまうこと。これは住んでいればあることで仕方ありません。お子さんがいれば尚更です。
もちろん、破いてしまったのですから、張り替え料は負担しなければいけませんが、長い間住んでいれば償却期間というものがあり、だんだんそのものの価値が下がり最後は評価ゼロになるという考えが原則にあります。
壁のクロスなども同じ考えです。が、下地の板まで穴を開けてしまったなど大掛かりなものを壊してしまったら償却期間を考えない場合もあります。
なので、その点もふまえて退室の際に立ち会う管理会社などと話してみてはいかがでしょうか。
また、入居時に入る少額短期保険に修理費用、賠償保険などに入ると思いますので、壊してしまったら退居するまでそのままにせずに保険が使えるかどうか確認するのもコツです。
ガラスを割ってしまったとか、洗面化粧台の流し部分にドライヤーを落としてヒビを入れてしまった、などは保険でカバーですることができたりすんですよ。
敷金を返金する時期
これは退室後すぐ返してね、というわけにはいきません。
退室後、業者が見積もりにきて見積もり書を出します。業者は頼んだからとすぐに来れるとは限らず、1週間以上してから見にきてそこから見積書を出してくれるのにも1週間くらいかかったりします。
出てきた見積書を見て、借主貸主の割合負担などを決めてからの請求になりますので、早くても約1ヵ月はかかります。
工事終了後に精算、となるとそれ以上かかるでしょう。
当社で管理させていただいている物件で退去があった際には、一番多いのは室内クリーニング費用を差し引いた後の金額、数万円をお返しすることが多いです。
次に多いのが室内クリーニング代+襖破いた枚数分費用、くらいかしら。
礼金もよく聞くけど・・・
敷金とセットのようになっているのに「礼金」っていうのもありますね。
これも不動産業界の言葉。
礼金は敷金と違い戻ってこない、払ったら払いっぱなし?(笑)のお金です。
誰に礼をするお金?……基本的には貸主さんに支払われます。
実は貸主さんも大変なのです。
皆さん、貸主さんいわゆる大家さんなんてものは、みな悠々自適で左うちわで暮らしている……そんなイメージでしょうが、
借主募集のために新しいエアコンつけたり、TVモニター付きインターホンつけたり、特に物件が古くなった貸主さんはキッチン取り換えたりユニットバス取り換えたり、外壁塗り替え工事したり、
基本的なお直しだけでも経費がかかっていまして、それでも家賃は上げられず、けっこう苦労されていらっしゃるのですよ。
敷金の話と話がずれてしまいましたが、世の中に楽して儲かる商売は無いなぁ……、となどとつくづく実感する今日この頃です。